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はじめに

高校時代の友人と3人で利尻1泊・礼文2泊の旅行をしてきました。
2001年にタイに赴任していた友人を3人で訪れたのをきっかけに修学旅行と称して2年毎に4人で出かけました。
残念ながら、一番賑やかだった友人が若くして他界し、その後、残りの友人二人も母親の介護・海外赴任で、2014年を最後に途絶えておりましたが、 今回、8年振りの再開となりました。
私にとって利尻島は3回目、礼文島は2回目の旅です。
友人の一人が行った事がなく、行きたいというので、企画しました。
生憎、天候に恵まれませんでしたが、皆様の参考になりそうな事を幾つか書き留めたいと思います。

日程
7月11日:飛行機・フェリーを乗り継いで利尻島鴛泊に入る。利尻沓形に宿泊
7月12日:午前中にレンタカーで利尻島を一周。姫沼・オタドマリ沼・仙法志海岸・見返台園地・夕陽丘展望台などから利尻岳を眺める。
午後にフェリーで礼文島香深に移動し、礼文林道コースをレブンウスユキ草群生地まで往復。礼文香深に宿泊
7月13日:午前中にレンタカーで礼文島の観光地を巡る。スコトン岬・澄海岬・元地海岸・桃台猫台など。
午後に桃岩展望コースをトレッキング予定だったが、悪天候のため断念。郷土資料館を見学後、民宿で大相撲を見て過ごす。礼文香深に宿泊
7月14日:一便で礼文を離れ、帰路に就く。

フェリー

結構お客がいましたが、それでも2等自由席(カーペット席)で横になって自由に足を伸ばす事ができました。
このような状況では、1等指定席より2等自由席の方が楽だと思います。
鴛泊から香深の航路では、椅子席を選ぶお客が多く、カーペット席は一区画を貸し切りで使えるほど空いていました。
もしも座る場所がないほど混んでいたら、ウインドブレーカーを羽織って甲板にいるつもりでした。
勿論天候に左右されるでしょうが、揺れは全く気になりませんでした。
人慣れしたカモメが甲板で餌をおねだりして、なかなか立ち去りません

島内の移動

「利尻レンタカー」「礼文観光レンタカー」を各4時間利用しました(3時間でも回れた)。
料金は保険・ガソリン混みで、各々7,500円(軽)、10,890円(マーチ)。
追加保険の説明だとか、事前・事後の車体のチェックがありません。それだけ、事故が少ないと言う事なのでしょう。
住民の皆さんはゴールド免許だとか。安全運転に気を付けてくださいとは特に言われず、礼文では風に気を付けて下さいと言われました。
駐車する時は、風上に向けて停車し、ドアを開ける前に窓を開けてくださいとの事でしたが、運転した友人が、風下に向けて停車し、 サイドブレーキをかけ忘れて、車が海方向に動きだして慌てました。
下手したら海に落ちたかもしれません。注意事項をちゃんと守りましょう。
島内の移動には、定期観光バス、路線バス、タクシー、レンタルの車・バイク・自転車があります。礼文の路線バスは意外にも トレッキング客で混雑していました。
レンタルバイクで観光しているご夫婦もいました。細い道にも入れて良いかもしれません。
両島とも自転車で観光しているらしい人も見かけました。利尻島一周55㎞です。

バフンウニの高騰

美味しいバフンウニを食べるのが、今回の大きな目的のひとつでした。
昨年の他の方の旅行記を見て、4,000円がウニ丼の相場と思っていましたが、驚きの値段でした。
もう一つの産地である釧路物が赤潮で壊滅した事、ロシア問題が大きいようです。
利尻島「さとう食堂」:バフンウニのメスのみのウニ丼が8,000円と言われて、仰天。しかし、高い飛行機代をかけてやってきてここで 断念する選択はない。清水の舞台から飛び降りるつもりで注文しました。
写真でも感ずると思いますが、身が厚く鮮やかな色で絶品です。
甘みのあるのが、バフンの特色ですが、その甘みがなんとも上品なのです。
「濃厚」という表現は適切でないように思います。お店のお薦め通り、何もつけず本来の塩味だけで食べだしたら、 どんどん進んじゃって、下のご飯を大量に残す事になりました。
入店する観光客は、ほぼウニ丼目当てなのですが、値段にたじろいで他の品を頼む人もいました。 隣に座ったグループは断念したのですが、その中の一人の女性は諦めきれないようで、我々に運ばれてきたウニ丼を 食い入る様に見つめているのです。
「美味し-いよ」と言ってあげました(いじわる爺さん)。
尚、食べている部分は生殖巣で、6月~8月が旬のようです

礼文島「炉ばた ちどり」
漁協直営の「海鮮処 かふか」に行ったのですが、団体で貸し切りでしたので、こちらのお店にしました。
「ほっけのちゃんちゃん焼」が有名だそうで、お客の半分は、それを食べていたと思います。
こちらのウニ丼は6,000円でした、利尻よりびっしり入っているように見えますが、お椀が小さく、かつ一層。
しかし、ご飯の下にもウニが入っていて、このサプライズは嬉しい。
とても美味しくて文句ないのですが、味はやはり、利尻の8,000円が明らかに格上です

礼文島のトレッキング

2日目の礼文林道コースは予定通り、レブンウスユキ草群生地まで往復できましたが、3日目の桃岩展望コースは悪天候で断念しました。
レブンウスユキ草はとても小さく目立ちません。
近づいてよく見ると、産毛が可愛い花でした。
「桃岩辿る君の手にエーデールワイス花開く♪♪♪」(フェリーで島に近づくと流れる「島を愛す」より)
レブンウスユキ草群生地近くからの緑の台地が綺麗でした。

コース途中に西海岸方向に折れる脇道があります。
何も標識がありませんが、元地海岸・地蔵岩のビューポイントがあり、お薦めです。曇り空が恨めしかった。
レンタルの電動自転車で礼文林道コースを登ってくるご夫婦がいましたが、奥様は押して歩いていました。
緩いとは言え坂道で小石が多く、ママチャリには不向きだと思います。
車が流される程の強風の中、西海岸よりの台地の上を歩いたら、どんな事になるのでしょう。
礼文には高山植物、緑の台地、レブンブルーの海岸と海に浮かぶ利尻島を眺めて歩く魅力的なトレッキングコースが幾つかありますが、 強風で大変だったとの旅行記を散見します。

民宿「はな心」

礼文島で連泊した宿をご紹介します。
一泊二食付き12,000円。部屋が綺麗で広く、食事が誠に美味しい。信じがたいCPです。
勿論、食事は高級旅館のように目でも楽しむような和食ではないし、品数も少ない。
しかし、実に美味しいし、古稀を過ぎた我身には丁度良い品数です。
この値段でごく少量ですがバフンウニも出ます。
そして牡丹エビ・スルメイカ・水タコなど新鮮な産直の刺身が輝き、柳の舞の煮付け・糠浸け鰊の焼き物・鱈のフライ、 モズクの酢の物等々、いずれも薄味で素材のうまみを大切にした味付けでした。
更に酒の持ち込みOKも嬉しい。セイコマートで冷酒を買って夕食時に楽しみました。

部屋にバスはなく共同ですが、露天風呂まであります。
トレッキングを楽しむ者には、洗濯・乾燥機があるのも嬉しい。実は、洗濯・乾燥機があるので、ここを選んだのです。
敢えて問題点を挙げるなら、斜面に増築してあり、廊下が複雑で階段が多い事と、髭剃りの切れ味が悪い事、 それと港から歩くには遠い事(送迎してくれる)です。
利尻・礼文には人気の民宿が幾つかあり、もっと良い民宿があるのでしょうが、自分としては躊躇なく 「素晴らしい!礼文に来たらこの民宿」と言えます。

その他
礼文の漁協直営の「海鮮処 かふか」は、今回のように、団体客で貸し切りになる事が時々あるそうです。
事前に問い合わせた方が良いでしょう。
利尻の見返台園地の展望台は、壊れて封鎖されていました。
狭い道を30分も車を走らせたのにショックでした。 行かれる場合は事前に観光協会に問い合わせするの
をお勧めします。
宿では、フェリーターミナル~宿までの送迎は勿論、都合がつけば、他の場所にも車を出してくれます。
駄目元で聞いてみる事をお勧めします。
利尻にも礼文にも立派な旅館・ホテルがありますが、新鮮な魚介をリーズナブルに食べたいなら民宿や小さな旅館の方が 満足できるように思います。
小さな宿は楽しくもあります。利尻で泊った所は、大型のホテルでした。敢えて感想を書きません。
パチンコ屋の看板があり、入口に「来島して3日以内の方の入店をお断りします」と書かれていました。
離島で感染が広がると大変な事になるのでしょう。
自分は関心がないのですが、映画「北のカナリアたち」のロケ地が幾つかあります。
ウインドブレーカーは必携品です。
フェリーだけでなく、礼文を観光する時にも。観光協会に聞くと、1年中風が強いそうです。
ネットでも買えますが、瓶詰めの「一夜漬け粒ウニ」が美味しいですよ。お土産に喜ばれます。
最後に

天気が悪く、姫沼に映る利尻岳やレブンブルーの海も桃岩展望コースも楽しめなかったのが心残りです。
でも行く場所がどこであれ・どうであれ、集まれば、高校生に戻れて愉快でした。
遠くて、時間もお金もかかる場所ですが、人気の場所で、もう、中国人観光客がいました。
好みによりますが、個人的には、利尻は利尻岳を色々な角度から眺めるだけで、登山するのでなければ、半日の観光で十分です。
一方、礼文は海岸線が複雑で、見所が幾つかありますし、高齢者でも歩けるトレッキングコースがあり、 こちらに時間をかけた方が良いと思います。
行かれた事のない方は、是非一度訪れて見てください。
そして旬のバフンウニを是非是非!食べて見てください。
ウニが苦手と言う方も、ここのウニだけは好きになりますよ。
我が家の娘達がそうでしたから。


管理人追記編集後記;
投稿者のtaibunさんは 退職後にスペイン語を独学で学ばれ、日本人でも恐らく3桁以下の人しか行ったことのない、パタゴニアの 古代の人たちの手形の洞窟「クエバ・デ・ラス・マノス」に自力で行ったことがある方で、日本の山にも造形の深い方です。
青春時代の一時を南米ブエノスで過ごした私でも、行ったことのない、パタゴニアのほとんど観光客がいかない地に行かれたと知って 興味をいだきお話を伺い、その後ネット上での交流が続いています。
昨年は、上高地から涸沢にかけて日本一美しい紅葉の情報もいただいています。
今回は利尻・礼文を高校時代の友人と一緒に旅した旅行記です。
利尻・礼文は高校二年の夏17歳のバックパック旅と、4年前、古希を記念してカミサンと二人、残っているマイル消化を兼ねて、羽田から 稚内直行便で飛び、利尻・礼文へはフエリー日帰りで廻りました。
taibunさんの手記のように、わたしも高校生の時も、前回の旅も天候には恵まれず、利尻富士はみえませんでした。
その時の旅の様子は再生回数数万回と私のユーチューブアカウントkamakurajpn2のなかでも上位のアクセス数の動画
利尻・礼文の旅 でご覧いただけます。


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