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私は山歩きが好きである。敢えて登山とは言わない。
20代に、松本の近くに数年暮らし、北アルプスの山に幾つか登った。
この頃は、眺めるのも登るのもゴツゴツした険しい山が好きで、岩場になると俄然ファイトが湧き、ガンガン登って登頂に至るのが喜びだった。(と言っても、ロッククライミングをしたのではありません。ごく普通の登山です) 信州を離れて30数年。退職後の運動・趣味として、登り一時間程度の山歩きを再開した。
少しずつ時間を増やして、やがて3時間半までは登れるようになったが、65歳頃がピークで、 毎年、体力・脚力の衰えを感じて今に至っている。
20代の頃とは、山の好み・歩き方が全く変わった。ゴツゴツした岩山への興味は薄れ、 月山のようなドッシリ・ゆったりとした緑の多い山、地元の人しか知らない丘陵のような場所が好きになった。
緩やかな山道をゆっくり歩くのが良く、山頂に到達する事に拘らなくなった。

自分が山を歩く理由
自分が山を歩くのは
・山の景色が好き、それを写真に写すのが好き
・木々の色・香りが好き
・木漏れ日・林を渡って来るそよ風が好き
・ふかふかの落ち葉の道が好き
・人に会えるのが好き
といった事に、今はなる。
山歩きの私の原則
現在の山歩きは、以下のようになっている。
1.日帰りである事
 理由:山小屋/テント泊が必要ない。
 私は山小屋に泊るのが嫌い(汗を流せない、眠れない)。
 テント泊では更に荷物が多くなる。

2.縦走しない。
 理由:いつでも出発点に引き返しができる。

3.常時ポール(両手)を使う
 理由:単に足への負担を減らすだけでなく、バランスを保つのに有効。
 少しよろけた時に、若ければ、踏みとどまれたのが、今ではそのまま転倒してしまう。

4.目標を持たない
 理由:目標を持つがために、無理な山行をする。

5.ゆっくり歩く
前の人を抜かさない・後の人にはどんどん抜いてもらう。
2時間位休みなしで歩き続けられる程度の速度で歩きながら、30分置きに小休憩をする。
 理由:「早く到達できて、疲れの少ない歩き方」だと思うに至った。

6.夏を避ける
 理由:暑いし、虫が多い。丹沢ではヤマビルが出る。

7.アクセスは公共交通機関を使う
 理由:車を運転して疲れて山を登る/疲れて車を運転するのは危険

遠くの山に行く場合には
〇 やはり山は日帰り。山登りの前後に山麓の宿に泊る。
(つまり、2泊3日で、1日目と3日目は移動のみ)
 理由:疲れ防止と、コロナ対策で混んだ時間帯の移動を避けるため。

〇 一回に一つの山
 理由:複数では疲れがたまる。
涸沢の紅葉

管理人さんだけではなく、「日本一」と言われる涸沢の紅葉を見たいと思う人は多いだろう。
私は、若い頃に涸沢に数度行った事があるが、紅葉を見た事はない。
今回、体力・脚力的に可能なのか、机上検討してみた。
結論としては山荘や山小屋を使えば、70過ぎても行く事は可能だと思う。
以下のサイトが簡潔に上高地から涸沢へのルートを紹介している。
(ただし、明神の標高は1530mの間違いだと思う)。
涸沢紅葉ハイキングルート | THE JAPAN ALPS
幾つかの情報を基にまとめると以下の表になる


横尾まではなだらか、ハイキングだ。問題は横尾からの3時間、標高差685mで、とりわけ本谷橋からの距離3km・標高差525mの急登。これが登れないと駄目。 以下のグラフは、横尾~涸沢間の傾斜を他の山と比較したものだ。

本谷橋からの急登は、大山寺から阿夫利神社下社への登り位である。
また、登りの標準所要時間は以下のようになっている。
 横尾~涸沢:3時間
 高尾山(稲荷山尾根):1時間40分
 金時山(金時神社から):1時間30分
 大山(表参道ルート):2時間25分

これらの情報を総合すると、
もし、ケーブルを使わず、バス停から大山山頂に登り、ケーブル山頂駅まで下山できれば、 横尾から涸沢に登るのは可能なように思われる。
高尾山稲荷山コースを余裕を持って登下山できる体力・脚力がないと話にならない。
金時山が登って下りられれば、可能性はあると思う。

涸沢行きの案を考えると
1日目、松本まで移動し、松本市内のビジネスホテルに泊まる。
上高地まで入って泊っても良いが、宿泊費が高いし、ラウンドリーがない。

2日目、上高地に入り、横尾まで歩き、横尾山荘に泊る。
途中の昼食は松本のコンビニで調達してきても良いし、1時間おきにある山荘を利用しても良い。
左程、汗はかかない筈だから、着替えない。

3日目、横尾から涸沢に登る。昼頃に着く筈だから、ヒュッテで昼食をとり、周辺を楽しもう。
少し、屏風岩の方とか北穂の方に登ってみると、綺麗な景色が見られそうだ。
涸沢ヒュッテか涸沢小屋に泊る。汗をかいているから、濡れたタイルで体をふいて、着替えて寝よう。
と言っても私は間違いなく、風呂なし・相部屋雑魚寝では眠れないだろう。

4日目、赤く染まる涸沢カールを楽しむ。上高地まで下る。
下り5時間は可能だと思うが、大変なら途中の徳澤や明神の宿に泊っても良い。
値段が高いが、上高地に泊れば、朝日に照らされた穂高が見られるかもしれない。
大正池ホテルにはコインランドリーがあるそうだが、コインランドリーがなくとも、速乾性の下着なら、 風呂で洗って、バスタオルでしごいて、部屋にほしておけば、翌朝には乾いているでしょう。

5日目、 帰宅
この案の問題は、私の嫌いな風呂なし・ぎゅうぎゅう雑魚寝の山小屋に泊らなければならない事だ(感染対策で、以前とは変わっているかもしれない)。恐らく一睡もできず、そんな状態で次の日、5時間下らなければならない。 涸沢での宿泊をやめて、横尾山荘に連泊する案もある。
横尾山荘には風呂があり、相部屋だが2段ベッドでスペースは区切られているので、ある程度は眠れるような気がする。
ただし、朝・夕の涸沢の景色が見られないし、横尾山荘の予約をとるのが、そもそも大変そうである。

「70過ぎても行く事は可能」と一見炊きつけているが、私自身は行くつもりはない。
・山小屋泊りが嫌いだ。
・テントが1000張なんて混んでいるのは嫌だ。
・景色がある程度想像できる。
・ネットで見る美しい写真は、本当か?
・山荘の予約とるのが大変。
そのため、天気予報を見て日にちを決めると言う事ができない。
・結局、期待する程感動的な光景には出会えないような気がする。

尚、下記の記事は、ルートの様子や宿の紹介もされていて、役立つと思います。
参考ツァー 涸沢カールの魅力|北アルプスの楽園・涸沢へ行こう!


山の紅葉風景

最後に、私が見た中で綺麗だった山の秋景色を紹介させていただく。


大雪高原沼(滝見沼):大雪高原温泉から1時間
我人生、最高に感動した紅葉風景です。神様の庭園は凄い。
時期・天気も良かったのでしょう。
シャトルバスの出る駐車場まで車で行きましたが、大雪高原山荘に宿泊予約すれば、層雲峡から送迎してくれるようです


八幡平茶臼岳:バス停から50分
登山しなくても、八幡平に向かうバスから素晴らしい景色が眺められます。
色が豊富で、私好みでした。
八幡沼の草紅葉も良いし、赤く染まった畚岳も綺麗でした。 また三石山の紅葉は、是非見てみたいのですが、熊に会いそうで、一人で行くのを躊躇しています。



那須岳ロープウエイ山麓駅周辺
那須岳の紅葉は、姥ケ平が有名ですが、ロープウエイ山麓駅付近でも素晴らしいです。
当日、ロープウエイが強風のため運行せず、登山道を30分程登ってみました



那須岳駒止めの滝:バス停北湯入口から20分
展望台からの眺めです
。 日光とは違って、ほとんど人は来ていません。
入りませんでしたが、少し下ったところに秘湯北湯があります。



安達太良山くろがね小屋:奥岳登山口から2時間
なかなかゴージャスな眺めです。
実際はロープウエイ山頂駅から乳首山を経由して下りてきました。
紅葉と、裏磐梯の沼、荒々しい沼の平の眺めなど、歩いてとても楽しいコースでした。
尚、くろがね小屋は紅葉時期は当然混んでいます。
麓の岳温泉の公共浴場でも、とても良いお風呂です。


管理人追記編集後記;
この投稿は本サイト(団塊世代の海外ロングステイと定年後の過ごし方)の運営管理者が、2021年の軽井沢の紅葉のブログ内で 、寺社仏閣の管理された紅葉と、山岳・自然林紅葉の違いについて書いたさい、もっと体力があるうちに山岳紅葉に行くべき だっと書きました。
ちょうどその頃、タイミングよく、NHKで日本一の山岳紅葉「北アルプスの涸沢」を中継していたのを見て、古希を過ぎて からは無理かな・・・と漏らしたに対して、読者Taibunさんが私的に下さったコメント、アドバイスです。

確かに、退職して自由に動ける時間の余裕が出来たご夫婦が京都の桜、紅葉を巡るのは定番です。
私達夫婦もそうでした。
しかし、二人とも古希を越すような年齢になり、夫・妻のお付き合いの幅も広まり、退職直後と比べて二人の行動範囲・距離は 少しづづ広がって行きます。
昔は、一人旅なんて、夫婦の間では考えられなかったのに、古希を境に、「どうぞ、行ってらっしゃい」 と変化し始めます。
「北アルプス・涸沢の紅葉」の写真は素晴らしい(デジタル加工してなくてもきっときれいなのでしょう)・・・
でも、もう無理だと思います。
長距離夜行バスもダメ。
もう、30時間オーバーの南米路線は、ビジネスクラスでも厳しい。

私も、Taibunさんも、このサイトをに訪れる退職前予備軍や、直後の若い世代へのメッセージとしてこのような 投稿を掲載しています。


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